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“Style is to be simple.”
~スタイル、それはシンプルであること。
これは、ティファニーで数多くのコレクションを手がけてきたElsa Peretti(エルサ・ペレッティ)の言葉。
独創的でエレガントなジュエリーを世に送り出し、「生ける伝説」と称されるデザイナーの軌跡とは?時代を越えて輝き続ける名作ジュエリーとともにご紹介いたします。
天才デザイナーのヒストリー
1940年、イタリア・フィレンツェの名家に生まれたペレッティ。実はキャリアのスタートはデザイナーではなくファッションモデル。NYへ渡りトップモデルとして活躍し、持ち前のスター性で社交界を代表するアイコンとして注目を集めました。
その後、サルバドール・ダリのアートグループにモデルとして参加したことで、彫刻に傾倒。デザインの道を切り拓いていきます。
培った人脈を活かしクリエイティブな世界へ飛び込み、69年にはじめてシルバージュエリーをデザイン。シルバーの可能性に着目したきっかけは、モデルとして世界を旅するなか、蚤の市で出会った銀製の花瓶だったとか。
ジョルジオ・サンタンジェロのコレクションを手掛けたことで称賛を浴び、そのセンスを見出だしたティファニー社と専属契約を結びます。
力強くも官能的な彼女のジュエリーは、宝飾の世界に衝撃を与えました。74年に発表された初コレクションは、即日完売。それまでジュエリーとしてみなされなかったシルバーをラグジュアリーに昇華させたのです。
初期(1973-74年ごろ)のデザイン。毒々しくも魅惑的。
彼女の作品は身につけられるアートそのもの。またたく間にティファニーのアイコンとなり、現在でも人々を魅了し続けています。
不朽のコレクションを辿る
バイ ザ ヤード
一粒ダイヤモンドの王道として愛されるバイザヤード。豪華絢爛なイメージのダイヤモンドをあえてシンプルにデザインすることで、繊細かつモダンな表情を引き出しています。
「どんな女性でもダイヤが楽しめるように…」というエルサの願いが込められており、ダイヤの大きさは0.03 ct~から選ぶことができ、ミニマルなシルバーの地金もラインナップされています。
華奢なチェーンと煌めくダイヤの組み合わせが、こぼれ落ちる雫のような趣を湛えるネックレス。シンプルに見えて他とは一線を画す名作です。
ボーン カフ
モード派にも人気の高いボーン カフ シリーズは、BONE(骨)、CUFF(袖)という名前の通り、手首の骨格をそのまま落とし込んだ革新的なジュエリー。納骨堂の壁を飾る修道士の骨に強い印象を受け、このデザインを思いついたそう。
サイズ(幅)は3種類あり地金の色も様々。定番のシルバーのほか、洗練された色気がにじむチャコールやブラックも人気が高まっています。
無骨ながら官能的なオーラが見る者を虜に。ジュエリーがあなたのカラダに溶け込んでいく感覚を体感して!
オープン ハート
日本ではとりわけ人気の高いオープン ハート シリーズは、「心を開いて」という名前の通りペレッティの愛の精神が表現されたコレクション。彫刻家ヘンリー・ムーアの作品から着想を得た、愛らしくもアーティスティックなシリーズです。
かつてプレゼントの定番として一世を風靡したオープン ハートですが、現在はよりモダンなリバイバルコレクションが発表され、再ブームが到来中。
フープピアスやメッシュのチェーンネックレスなど、甘すぎないデザインをスタイリッシュに楽しみたい。
ビーン
「生命の起源」を表す豆をインスピレーション源にしたユニークなビーン シリーズ。身近な自然の美しさを捉え、洗練されたフォルムに昇華する彼女の才能を感じる作品です。
彼女が1番こだわったと語るのは、金属とは思えないような滑らかな輪郭。自然体で美しい女性像にマッチします。また、ネックレスは両側に穴が開いていて、動きに合わせて柔らかく動くのも魅力的。
デイリー使いに最適なデザインながら、彼女が得意とする"曲線美"を堪能できるシリーズです。
語り尽くせないその魅力!
代表的な4作品を紹介しましたが、ペレッティの名作はまだまだたくさん。一部を厳選してお届けします。
ボトル ペンダント
エルサ・ペレッティが最初に手がけたジュエリーデザイン。彫刻のような美しさです。
メッシュ
繊細なメッシュが、まるでシルクのように体に沿うセンシュアルなジュエリー。
スネーク
媚びない強さと妖艶な魅力を併せ持つスネークがモチーフ。
輝き続けるジュエリー
自分の感性を信じて突き進むパワフルさで、一流デザイナーとしてのキャリアを築いたペレッティ。彼女の作品が今なお愛されるのは、ジュエリーの輝きに込められた彼女の“生き様”が、現代女性の心を打つからかもしれません。