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オードリー・スタイルの秘密
意思の強さを感じる太い眉に、キラキラ輝く瞳、バレエで培ったほっそりとした手足。“永遠の妖精”オードリー・ヘップバーンは、圧倒的な美貌とチャーミングな笑顔で世界を虜にし、ハリウッド黄金期を支えた女優の1人です。
映画史のみならず、ファッション史においてもその名を残したオードリー。伝説ともいえる「オードリー・スタイル」に不可欠な5つの名品をご紹介します。
香水:ジバンシイ ランテルディ
ジバンシィの創業デザイナー、ユベール・ド・ジバンシィがブランドのアイコンだったオードリーに贈ったオーデパルファム。その香りを気に入ったオードリーが「私以外使っちゃだめ!」と言ったエピソードから、“禁断”という意味のランテルディと名付けられました。
ベルガモットの爽やかな香りをチュベローズのエレガントな香りが包み込み、パチョリなど深みのある香りで完結するドラマティックなブレンド。まるで映画のヒロインになったかのような喜びに包まれる名香です。
現行のランテルディは2018年にリニューアルされたもの。香りの変化が緩やかなシンプルノートのため、デイリーユースしやすいフレグランスです。
バッグ:ルイヴィトン スピーディー25
1950~60年、空の旅といえば富裕層の特権。ルイ・ヴィトンの原点でもあり、メゾンの代表格でもあるトラベルバッグをセレブリティたちがこぞって愛用し、特に使い勝手の良いスピーディは絶大な人気を誇りました。
当時、スピーディのサイズは30、35、40でしたが、オードリーがさらに小さいものを作って欲しいとスペシャルオーダーして生まれたのがスピーディ25。
コロンとした愛らしいスピーディを持ち、颯爽と歩くオードリーの姿は見るものを釘付けに。たちまちルイ・ヴィトンのアイコンバッグ…「モノグラムの真骨頂」に上り詰めました。その普遍的なエレガンスは時代を超え現在でも愛され続けています。
近年では、ショルダーストラップ付属のスピーディ・バンドリエール25が登場。アクティブな現代女性に支持される名品です。
ドレス:ジバンシィのカクテルドレス
永遠のファッションアイコンと呼ばれる彼女の成功の陰には、ジバンシィの創業者・ユベール・ド・ジバンシィの存在があります。『麗しのサブリナ』『パリの恋人』等映画史に残る衣装を次々と生み出し、オードリー・スタイルを確立させました。
オードリーは、ユベールに対しビジネスパートナーを超えた「親友」として絶大な信頼を置いていました。スクリーン以外でも、アカデミー主演女優賞の受賞式から自身の結婚式に至るまでジバンシィのドレスを指名しています。
LBD(リトル・ブラック・ドレス)の原型になったのも、オードリーが着用したジバンシィのカクテルドレス。一見シンプルですが、三日月風のバックラインがほっそりとした肩甲骨を際立たせ、この上なく女性らしい仕上がりになっています。
小物:オリバー・ゴールドスミスのサングラス
黒いサングラスをかけたヒロインが、ティファニーのショーウインドウを眺めながら、紙袋からクロワッサンを取り出して食べ始める。『ティファニーで朝食を』の誰もが知る名シーンですよね。
『おしゃれ泥棒』『シャレード』『パリで一緒に』…彼女の代表作のほぼ全てにオリバー・ゴールドスミスのサングラスが登場します。映画の中だけでなく、プライベートでも黒いサングラスを愛したオードリー。ファッションとしてだけでなく、人気絶頂だった彼女には人目を避けるための必須アイテムでした。
オリバーゴールドスミスの「マンハッタン」は『ティファニーで朝食を』で着用し、プライベートでも愛用していたモデル。緩やかなキャットアイの曲線を描くクラシカルなシェイプが、凛とした美しさとお茶目な魅力を同時に引き出しています。
靴:フェラガモのバレエシューズ
オードリーの人気の秘訣は、麗しい美貌はもちろんのこと、飾らない可憐な笑顔にあります。そんな彼女の自然美をアシストしたのが、カジュアルなフラットシューズ。170cmの長身と細く長い脚をさらに引き立て、スクリーン上の軽やかな動きを演出しました。
オードリーが女優としてのキャリアをスタートさせた頃、天才靴職人と称されるサルバトーレ・フェラガモはオーダメイドの靴を何足か作っています。極上の履き心地とほっそりとしたルックスが気に入った彼女は、デイリーシューズとして愛用する姿が度々パパラッチされています。
現在サブリナシューズと呼ばれる靴は、主演映画『麗しのサブリナ』がきっかけになっています。
まとめ
Elegance is the beauty that never fades.
ーエレガンスとは、決して色褪せることのない美しさなのです。
オードリーの愛した名品は、どれもミニマムで自然体の魅力を引き出すものばかり。年齢や流行を超えた先にある美しさが、今も世界中の女性にインスピレーションを与え続けています。