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300年以上の歴史があるフランスの石鹸
フランスの家庭に必ずある、と言っても過言では無いものが、マルセイユ石鹸。フランス好きでなくとも、その名を聞いたことがある人も多いのでは?実際にフランスでもたくさんのマルセイユ石鹸がありますが、その中でも「本物のマルセイユ石鹸」をご紹介します。
確かにフランスのスーパーでも、石鹸の棚にたくさんあった!
でも、その中に本物のマルセイユ石鹸は無い可能性も。今回はそこの点にも触れていきます。
そもそもマルセイユ石鹸とは?
300年以上の歴史(説によってはローマ帝国時代から存在するとも)があり、その名の通り、フランスのマルセイユで製造され、昔は「王家の石鹸」と呼ばれていた高級石鹸。
大人気だった為に、偽物も多く流通した結果、1688年にはルイ14世により「マルセイユ石鹸勅令」が発行され、原料や製造方法などが定められました。けれども人気者と偽物は今も昔もイタチごっこ。その後1812年にはナポレオンによって更に法令強化をされた歴史があります。
法律が作られる程、フランスにとって重要な存在だったのね…
マルセイユ石鹸の成分は、4つのみ
伝統的なマルセイユ石鹸の原料は、全成分の内75%以上がオリーブオイルなどの植物オイル。その他は、水、塩(海塩)、ソーダのみ。合成成分などは一切使わず、5つのステップで伝統的な大釜を用いて製造されています。
マルセイユ石鹸の95%は、偽物?!
現在では高級な石鹸と言うよりは、どこの家庭にもある身近な存在になったマルセイユ石鹸ですが、その95%はマルセイユ産ではないとも言われています。また、マルセイユ産でも、レシピや製造方法など当時の伝統的な作り方を今も続けているのは、5社のみ(マルセイユ石鹸専門家連合による認証)。
マルセイユ産で且つ伝統的かどうか?は、写真の石鹸に押されている「SAVON DE MARSEILLE」のロゴが、パッケージや石鹸本体にあるか否かが判断ポイントになります。
マルセイユ産自体は最近増えているそうですが、伝統的な作り方をしている工場は限られているそうです。
老舗ブランドFER A CHEVAL(フェールアシュヴァル)
今回ご紹介するFER A CHEVAL(フェールアシュヴァル)は、1856年に始まって以来160年以上に渡り、伝統の作り方を守っています。マルセイユ石鹸の認証だけでなく、EPVと言うフランス政府が発行する無形文化企業も持っている会社。1688年から製造方法や原料を変えず、1900年のパリ万博では金メダルも獲得しています。
幸運を呼ぶ“馬蹄モチーフ”
FER A CHEVAL(フェールアシュヴァル)とはフランス語で馬蹄のこと。古くから幸運を呼び込む、魔除けとして大事にされている馬蹄を社名だけでなく、石鹸自体にもモチーフを施しています。
マルセイユ石鹸の使い方
冒頭でもお伝えした通り、フランスのお家には必ずある?!と言っても過言ではない存在のマルセイユ石鹸。様々な用途がありますが代表的な活用方法をご紹介します。
スキンケアとして
マルセイユ石鹸は余分な汚れを落としつつお肌に必要な皮脂は洗い落とさないので、スキンケア・ボディケアにもぴったり。フランスでは肌荒れケアとしてもよく用いられています。また汚れは落とすので、筆者は軽いメイクもこちらでオフしています。
メイクアップツールのお手入れとして
上記に付随して、お使いのアイシャドウブラシなどのメイクアップツールのお掃除も便利。ゴシゴシせずに、するっとメイクを落としてくれます。また、メイク中に手についたファンデーションや手の甲で馴染ませたアイシャドウなども、楽々オフできるのも意外に重宝。
洋服やスニーカーにも
家庭で重宝される理由は、洗顔やボディー用だけではなく、脱脂力の高さからくる万能っぷり。洋服の頑固な汚れ、スニーカーなど「汚れを落とす=マルセイユ石鹸」がフランスの定番です。
「マルセイユ石鹸」は多種多様!
今回はベーシックなマルセイユ石鹸をご紹介しましたが、リキッドタイプからスプレータイプ、クローゼットの虫除け用など様々な種類が展開されています。世代を問わず、日用のあらゆるシーンで使えるマルセイユ石鹸、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?