INDEX
これからの買い物は、自分なりの新たな基準を設ける。
ー消費行動に責任を持つ。
何をするべきで何をするべきでないかは、誰かから押し付けられるものでも流れに任せてするものでもなく、自分自身の信念に基づいて選ぶべき。それが巡り巡って自分のためになり、家族のためになり、ひいては日本中、世界中のためになることを信じてー。
エディターJ
【はじめに】
周りに流されやすい日本人へ
サステナブルなファッションを楽しむための方法を知るためにこの記事にたどり着いたのだと思いますが、まずはじめにこの問いをみなさんに投げかけます。
あなたは周りに流されやすい性格ですか?環境のためを思ってとるその行動は、自分が調べて自発的にしていることでしょうか。
「今流行っているから」「みんなしているから」。こういった気持ちで流された末にする行動もあるでしょう。しかし、信念のない選択にはなんの意味もありません。
ましてや、環境に目を向けるということはただ一過性の流行りではなく、長い目で見て考えるべきこと。自分たち消費者の意識の変革や消費行動が変わり、その小さな積み重ねの末に結果が伴ってくるものだからです。
考えた末にしたその選択や行為が、環境のためになっていることはもちろん、自分たちのためにもなっている。そんな循環をも生み出せる選択だと嬉しいですよね。
アンビバレントな世界
全て考えすぎる必要はありません。ですが、この世界にはたくさんの相反する、あるいは矛盾していたりアンビバレントでセンシティブな意見や問題があります。
今問題とされていること全てがピュアな動機によるものではなく、時に闇が深かったり利権が絡んでいたり、政治的なイデオロギーをはらんでいる問題だってあるのです。
えっ!?どういうこと?
簡単に言い換えると、テレビなどの報道機関が問題ではないことを問題として大々的に取り上げることで、偽りの問題意識を人々に植えつけて恐怖をあおることよ。
そんなことをして誰が得をするの…!?
性善説的な生き方の優しい日本人にはなかなか理解し難いですよね。けれど、世界を支配し金儲けするためだったら、手段を選ばずどんなことでもする人たちがいるんです。
へえ…。難しいけど…、じゃあテレビで報道される環境問題も全てが正しいわけじゃないってこと!?
はい、その通り。テレビを見ているだけでは真実を知ることはできません。事実、先進国でテレビを信じる割合が7割以上なのは日本だけ。他の国では5割を切っているんです。ですので、自分から情報を集めて自分なりの選択をすることが大切なんですよ。
私たちが生きるこの世の中は、テレビや街角の広告を含め全てに嘘やプロパガンダで溢れています。
環境に配慮した消費行動として私たちができることを提案する記事なのにも関わらず不謹慎かもしれませんが、大げさにいうと「環境問題が本当に存在しているかどうか?」ということを問いかける思考回路すら持っておく必要があるのです。
他人に答えを求めない、自分で調べて取捨選択
嘘か真実かを見極めるにはある程度世界情勢の知識が必要だったり、歴史的な背景を理解している必要があります。ですが、新しいことを学びはじめるのに年齢は関係ありません。
賢いスタハ読者の皆様には、他人に答えを求めようとせず、自分で調べ、自分の頭で考えた上で、しっかりと自分なりの買い物の基準を設ける芯のある女性でいて欲しいのです。情報過多の時代、取捨選択は現代を生きる私たちに必要なスキルでもあるのです。
難しい前置きになってしまいましが、ここからは、具体的でわかりやすいサステナブルな買い物の基準を4つポイントに絞ってお伝えしていきます。
基準⒈エコレザーを選ぶ
菜食主義、動物愛護に関心があるなら、エコレザーやヴィーガンレザーと呼ばれる動物性のレザーを使用しないバッグやウォレットを選びましょう。Stella McCartney(ステラマッカートニー)を筆頭に、現在では多くのブランドで展開されています。
ですが、リアルレザーの製品を使っている人を悪者扱いすべきではありません。なぜなら、もしかするとそのレザーは、本当は捨てられるはずだった食肉用の動物の皮を使用している場合があるからです。
ヴィーガンレザーは、動物愛護の観点から欧米を中心に広く知られるようになったものであり、フェイクレザー、リアルレザー共にメリット・デメリットが存在します。どちらを選択するかはあなた次第です。
基準⒉労働者にも配慮したエシカルブランドを選ぶ
環境への配慮だけでなく、労働者にも配慮した製品がエシカルファッション。また、労働環境や商品取引時に不平等な契約がされていないかというモラルにも意識を向けた取引をフェアトレードと呼びます。
ちなみに、2023年に公開された人身売買に関するノンフィクション映画『Sound of FREEDOM』をご存知でしょうか?日本で生活していると想像しにくいことですが、世界では現代の奴隷制とも言われる子供の人身売買が大きな問題となっています。連れ去られた子供たちはカカオ栽培など劣悪な労働環境で働かされたりしているのです。
他に身近な例を挙げるとすると、中国によるウイグル人の強制労働が世界中で問題になっています。ですから、自分が買おうとしているそのブランドがそういったこと加担していないか?ということを気にかけ自身で調べるということが大切なのです。
これだけ情報が溢れる現代ですが、テレビだけを見ていては本当の情報を得ることはできません。能動的に調べ行動に移さない限り、たとえ自分にそんな気が無くても上記のような強制労働に知らず知らずのうちに加担してしまうことになるのです。
基準⒊洋服を買う前に一度立ち止まって考える
「持続可能・サステナブル」という概念がファッション業界にも浸透し、環境に配慮した衣類が多く展開される現代。ですが、安いから、可愛いからといってむやみやたらに購入するのはナンセンス。
環境に配慮された洋服であっても、そもそもそのアイテムは本当に必要なのだろうかと自身に問いかけることが大切です。一目惚れしても、一旦その案件は持ち帰り、クローゼットと相談するのをおすすめします。そうすることで、クローゼットに無駄な洋服が溜まることなく、ミニマル化に繋がるかもしれません。
さらに、本当に必要か考えることで新たな発見も。買ってみたものの一度も着ずに眠っている服や、お直ししてもう一度着られる服が見つかるかもしれません。
全ての消費行動は、消費者である私たちの意識の持ち方に委ねられています。「コンシャスコンシューマー」、つまり「意識の高い消費者」としての行動が求められているのです。
基準⒋セカンドハンド・リユースを活用する
趣味嗜好が変化してもう着なくなった洋服は、捨てずに再利用する方法を考えましょう。誰かに譲ったりできるとベストですが、ニーズがマッチしない時は古着の買取専門店に売りにいったり、フリマアプリを利用したりするのがおすすめです。
また、一着を長く大切に使うことも大切な心がけ。だからこそ、前述したように買う前に本当に必要か考えるプロセスが重要です。もちろんアイテムによって消耗の具合は様々なので一概にいうことはできませんが、最低でも3年後、できれば5年後ほど先の自分を想い描けたらサステナマスター。
「もったいない」は世界共通語。日本が世界に誇れる精神です。そのスピリットを買い物にも活かし、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
洋服における闇の部分や買い物のポイントをお伝えしました。上記以外にも、トレーサビリティ(製造過程)や、ブランドの企業情報を調べたりするのも環境にやさしい服かどうかを見極める上で参考になるのでおすすめです。
最後に、エディター厳選のおしゃれなサステナブランドをご紹介します♡
環境に配慮したおすすめブランド7選
⒈GABRIELA HEARST(ガブリエラハースト)
ハイブランドではステラマッカートニー続くサステナブランドとして有名なGABRIELA HEARST(ガブリエラハースト)。Chloe(クロエ)のデザイナーも勤めたガブリエラが作り出す、シックでエフォートレスな世界観が魅力です。
⒉VEJA(ヴェジャ)
環境に優しい原材料をフェアトレードの原則に基づいて調達し、社会性の高い基準に則った工場で生産を行うVEJA(ヴェジャ)。通常なら高価になってしまうところ、広告やマーケティングをせず生産チェーンに投資することで、他の大手競合ブランドと同じ価格を実現しています。
⒊ JW PEI(ジェイダブリューペイ)
JW PEI(ジェイダブリューペイ)は、2017年にロサンゼルスで誕生したビーガンファッションブランド。バッグなどの小物には環境にやさしいビーガンレザーが使用されており、手に届きやすい価格も人気の理由です。
⒋KAYU(カユ)
KAYU(カユ)は、テキサス出身でクアラルンプールと香港育ちのデザイナーJamie Lim(ジェイミー・リム) が2008年にスタートさせたバッグブランド。全てのバッグは東南アジアの伝統的な技法で編まれ、シェルやストロー、バンブーなどの自然素材を使用することで数々のエコ賞を受賞しています。
⒌PRADA(プラダ)
BUYMAでも大人気、PRADA(プラダ)のリナイロンシリーズ。実は、海や漁網から回収されたプラスチックや廃棄されるはずだった生地で作られているのをご存知でしょうか?ただブランド物だからというだけでなく、環境のことも考えられていると知るとより良い気持ちになりますね!!
⒍MARINE SERRE(マリーンセル)
三日月パターンがトレードマークのMARINE SERRE(マリーンセル)は、新進気鋭ブランドの中でもいち早くサスティナビリティに取り組んだブランドのひとつ。近未来的なデザインで注目を集め、多くのセレブリティも愛用しています。
⒎HEREU(ヘリュー)
スペイン発のHEREU(ヘリュー)は、皮小物に食肉産業の副産物を再利用したエシカルレザーを使用。環境への負荷を抑える為、パッケージに及ぶまで地元のサプライヤーから調達するなど、洗練されたデザインだけでなくトレーサビリティにも配慮しています。
無関心でいても、無関係ではいられない。
今回は、重い話もありましたが、このグローバル社会において海を越えた向こう側の国で起こっていることが自分と無関係なんていうことはありません。
何のために、誰のためにその消費行動を起こすのか。その先にどんなコンセクエンス(結果)が伴うのか。そこまで想像し取捨選択するのが、我々大人の使命なのです。
私たち心優しい日本人の消費行動が、子供たちへの範となり、大きなムーヴメントになり、ひいては世界のお手本になるときがやってきました。一人一人は小さくても、私たちが連帯し消費という形で意見を表明することは、社会全体の動きを変える大きな力があることを、今改めて胸に刻みましょう。