そもそも“はずし”とは
ファッションで用いられる“はずし”といわれる表現にはいくつかの意味が含まれています。
①テイストの違うアイテムを取り入れる
②テイストの違うカラーを取り入れる
基本的には①と②の意味合いで使われることが多いですが、素材やブランドの発祥国などによる差別化を、“はずし”と捉えることもあるでしょう。テイストの違いについては、個別のジャンルよりも、カジュアルとフォーマルといった広域な区分で語られることが多いようです。以下に具体的な例をご紹介します。
カジュアルファッションにおける“はずし”
カジュアルなアイテムをベースにしたコーディネートには、フォーマルなアイテムを追加することで“はずし”効果を期待できます。
画像では、足元にスニーカーではなくローファーを持ってくることによって“はずし”を実践。
上手くフォーマル要素を追加しています。
フォーマルファッションにおける“はずし”
逆に、フォーマルなアイテムをベースにしたファッションには、カジュアルなアイテムを追加することで“はずし”効果を期待できます。
1枚目の画像では、襟付きのシャツとインナーにスラックスを合わせたフォーマルなコーディネートに、スニーカーというカジュアルアイテムがいいスパイスになっています。
2枚目の画像では、セットアップのインナーにアロハシャツを合わせることで、堅苦しさを回避した“はずし”コーデが成立しています。
カラーで実践する“はずし”
セットアップなど、一見ビジネスライクなフォーマルファッションを組み立てる場合、意図的にビジネスシーンで使用しないカラーを取り入れるコーディネート方法も、“はずし”と呼べるでしょう。
画像のコーディネートはタイドアップのスーツスタイルですが、カラーで遊ぶことによってカジュアルな印象を与えることができています。
“はずし”は上級テクニック
“はずし”は意図的に違うテイストのアイテムを取り入れることによって、コーディネートに幅を持たせるテクニックです。本来ハマりがいい王道の組み合わせを崩す行為は、難易度が高い技術といえます。
下手をすると、単純にヘンテコなコーディネートになってしまう“はずし”。しかし、成功すれば他人とは一味違った個性を演出できるかもしれません。ぜひ試してみてください。