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本当に良いモノは、朽ちたりしない。
~私のことはダサいと言っても、トリオのことはダサいって言わないでください~
子どもの成長と共に私のファッションも変化してきましたが、次男がオムツやベビーカーを卒業するまでは、エルベシャプリエのどでかいトートバッグと斜めがけトリオというスタイルが子連れ外出の定番でした。
美しさと実用性の見事な融合。
画期的な3つのポーチ
トリオの最大の特徴は、3つのポーチがスナップボタンで1つにくっついていること。
バッグの中がすぐ四次元空間になるのに、ポーチで小分けにする等の手間は惜しむ、整理整頓が苦手な私のために作られたとしか思えません。
3つのポーチそれぞれに収納するものを決めてしまえば、あれでもない、これでもない…とドラえもん状態にならずにスマートに荷物を取り出せます。
秀逸なファスナー
上部が直線的なデザインなので、ファスナーの開閉もスムーズ。
しかも端までしっかり開くのでノーストレスで荷物の出し入れが可能です。端まで開かない上に鋭利なファスナーは、アラフォーの乾燥した手肌を容赦なく痛めつけてきます。
もう信じられない、とつぶやいてうつむいたことも…だけどトリオのファスナーだけは私を傷つけない。
さりげない"燻しゴールド"
燻したようなゴールドの金具と小さく控えめなブランドロゴのおかげで、悪目立ちせず使うシーンを選ばないのも気に入っています。
天才デザイナーの傑作。
トリオバッグを生み出したのは、かの有名デザイナー、フィービー・ファイロ。
ハイブランドのクリエイティブディレクターという立場でありながら、ブランドを前面に出したデザインを排除し、新しさと普遍性、美しさと実用性という、相反する要素を軽やかに両立しました。
トレンドとして消費されるような一過性のモノは作らない、という静かな情熱や信念も感じて、改めて稀有なデザイナーだと思います。
少し前、スタイリストの福田麻琴さんがWebマガジン上で"マイ定番ポシェット"として、トリオを紹介されていました。
福田さんは2018年の著書でもこのトリオを愛用されている様子でしたが、4年経った今、当時より使い込まれたバッグはますます福田さんに馴染んでいて、長く大切にされているモノだけが放つ静かな存在感がありました。
編集部のひとくちメモ
現在手に入るトリオバッグの多くは「新ロゴ」ですが、2019SS以前のトリオは「旧ロゴ」。フィービーのセリーヌを象徴する「旧ロゴ」は希少価値が高く、現在も根強いファンが存在します。
Éのアクセント符号がついているのが、フィービー時代のセリーヌの証。
ありがとう、いいバッグです
トリオをGoogleで検索すると「トリオ ダサい」と出てきます。ダサいは、ナウいやドアノブカバーと共に20世紀に置いてきたかと思ったら、まだ使われていたとは…たしかにトレンドではないけど、ダサいか否かは、結局持つ人次第。
どこかの誰かがダサいと思っているかどうかを気にするよりも、自分が心から好きだと思えるものと過ごすことで得られる、幸せや豊かさを大事にしたいと思っています。
よーし、じゃあ全員目をつぶって、机に顔を伏せて。「トリオ ダサい」で検索したことがある人、正直に挙手!(根にもつタイプ)
次回は…
流行や人の意見に左右されない、自分軸を見つけること。それが本当の「おしゃれの醍醐味」なのかもしれませんね。
次回の「pepperのモノ語り」もお楽しみに!